ビジネスマンのスキルアップの切り札!?~中小企業診断士

2016年に日経新聞社と日経HRが共同で行ったアンケートによれば、「新たに取得したいビジネス関連資格」として、中小企業診断士が前年の6位からジャンプアップして1位となったそうです。

ビジネスマンのスキルアップの切り札!?~中小企業診断士

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ビジネスマンに人気の資格ランキングベスト10

ちなみに1位~10位までの結果は以下の通りです。

1位 中小企業診断士
2位 TOEIC(Cレベル・470点~730点未満)
3位 TOEIC(Bレベル・730点~860点未満)
4位 TOEFLテスト
5位 宅地建物取引士
6位 日商簿記検定 2級
7位 日商簿記検定 3級
8位 TOEIC(Aレベル・860点以上)
9位 TOEIC(Bレベル・470点未満)
10位 ビジネス実務法務検定準1級、2級

2位以下にならぶTOEIC、宅建、簿記というビジネス3大人気資格を抑えて1位となった中小企業診断士は、経営コンサルタントにかかわる唯一の国家資格です。

中小企業診断士の試験の概要

中小企業診断士の試験は、試験範囲が非常に広いことが特徴で、1次試験は2日間に分けて7科目のマークシートによる試験があります。

  • 経済学・経済政策
  • 財務・会計
  • 企業経営理論(※人事・組織論、マーケティング理論など)
  • 運営管理(※工場の運営管理、小売り業の現場の運営管理など)
  • 経営法務
  • 経営情報システム(※主にコンピューター関係)
  • 中小企業経営・中小企業政策

このように、企業経営全般の知識を総合的に身につけることができる科目構成となっており、スキルアップを目指すビジネスマンには最適な資格といえるでしょう。

※ちなみに1次試験の財務・会計では、計算問題が多く出るにも関わらず、計算機持ち込み禁止です。筆算のやり方をすっかり忘れてしまっている場合には、そこから復習することになります。

また、2次試験では論述式の試験となり「中小企業の診断及び助言に関する実務の事例」というタイトルで中小企業の状況や課題などが文章で提示され、20文字~200文字程度で解答する論述式及び計算問題の試験となります。

出題されるのは4つ事例で、事例ごとにテーマが決まっています。

事例I
組織(人事を含む)を中心した経営戦略・経営管理に関する事例
事例Ⅱ
マーケティング・流通を中心とした経営戦略・経営管理に関する事例
事例 Ⅲ
生産・技術を中心とした経営戦略・経営管理に関する事例
事例 Ⅳ
財務・会計を中心とした経営戦略・経営管理に関する事例

平成27年度の合格率は、1次試験が26.0%、2次試験が19.1%となっており、単純に掛け合わせれば1発で合格する確率は4.4%となりかなりの難関資格であることが分かります。

※実際には1次試験で60%以上の点数を取った科目は、翌年に限り試験が免除されるので、2次試験の受験者には、その年の1次試験を一部、もしくは全部受験していない方も含まれます。

ビジネス経験が活かせる出題内容

試験に合格するのに必要な勉強時間は1000時間ともいわれており、気軽にチャレンジできる試験とは言い難いでしょう。

とはいえ、実際に合格した方の勉強時間にはかなり差があることも事実です。

理由は、試験内容がビジネスの現場に密接に関わるものであるため、仕事で得てきた知識がそのまま役に立つ場合も多いからです。

特に金融関係のお仕事をされている方には、合格のための最大のポイントといわれている「財務・会計」において大きなアドバンテージがあるため、勉強時間はかなり抑えることができるでしょう。

銀行員の方が受験するケースが非常に多いです。

また、「企業経営理論」では、「会社でこんな問題が起きたらどうする?」というような問題が多いため、特に勉強していなくてもビジネス上の常識的な判断能力だけで解けてしまう問題も少なくありません。

難関に思える中小企業診断士の資格ですが、あなたのビジネス経験次第では、思いの他身近な資格かもしれません。

なお、中小企業診断士は国家資格とはいえ、独占業務をもたない、いわゆる名乗ることができるだけの「名称独占資格」です。

独立には向かないというよりは、ぶっちゃけ独立して経営コンサルタントとしてやっていくのには、資格など関係ないというのが実情です。

あくまでもビジネスの戦闘力の底上げするための手段として考えておいた方がいいかもしれません。