30代で転職するならこれだけは知っておきたいコト

30代は社会人としての経験もある程度積んでおり、仕事をこなすだけで精一杯だった20代の頃と違い、周りを見る余裕も出てくることから自分のキャリアアップのために転職を考える方が多くなる年代です。

また、企業としては30代の人材には、20代のようにポテンシャルや人柄だけではなく、実績・経験・スキルに加え、ある程度マネジメント能力も求めることが多くなってきます。

ここでは30代の転職を成功させるために知っておきたいことをまとめていきます。

30代で転職するなら知っておくべきこと

30代は転職の旬

大手転職エージェントのDODA(デューダ)の調査によれば、2016年上半期の転職者の平均年齢は32.3歳となり、調査開始の2007年以来最も高い平均年齢となりました。

この転職成功者の平均年齢は一貫して上昇傾向にあり、2007年と比較すると3.2歳もアップする結果となっています。

これは、専門知識や実務経験を活かして即戦力として活躍できる30代の人材を求める企業が増加傾向にあることの現れであり、30代の転職の選択肢は広がってきているといえるでしょう。

もちろん同じ30代といっても、30代前半と30代後半では事情は異なります。

同調査によれば、転職成功者に占める30代前半(30歳~34歳)の割合は25.7%であるのに対し、30代後半(35歳~39歳)の割合は14.6%となっており、30代前半の成功者は30代後半の2倍近くにのぼります。

30代が転職する理由

DODA(デューダ)の調査における、2016上半期の30代の転職理由ランキングのベスト5は以下の通りです。

30代転職理由ランキング
1位 ほかにやりたい仕事がある11.6%
2位 会社の将来性が不安 11.5%
3位 給与に不満がある 8.0%
4位 残業が多い/休日が少ない 5.8%
5位 専門知識・技術力を習得したい 5.0%

「ほかにやりたい仕事がある」という前向きな理由と、「会社の将来性が不安」というネガティブな理由が拮抗しているのが分かります。

これに対し、20代、40代の転職理由ランキングは以下の通りです。

20代転職理由ランキング
1位 ほかにやりたい仕事がある13.9%
2位 給与に不満がある 8.1%
3位 残業が多い/休日が少ない 7.2%
4位 会社の将来性が不安 6.7%
5位 専門知識・技術力を習得したい 5.0%

40代転職理由ランキング
1位 会社の将来性が不安17.7%
2位 ほかにやりたい仕事がある 12.2%
3位 倒産/リストラ/契約期間の満了5.7%
4位 業界の先行きが不安4.9%
5位 給与に不満がある 4.4%

20代では「ほかにやりたい仕事がある」が頭ひとつ抜けて1位であり、40代では、「会社の将来性が不安」というネガティブな理由が1位で、そのほかにも「倒産/リストラ/契約期間の満了」や「業界の先行きが不安」という他の年代には見られない理由がランクインしてきています。

このように見ていくと、30代の転職は前向きな理由と、ネガティブな理由の狭間で、やりたい仕事と労働環境の不満の解消を両方とも実現できる転職を目指す方が多いようです。

30代の人材に求められるもの

30代の人材は企業からはプレイヤーとして即戦力として能力を求られると同時に、管理職・リーダーとしてのマネジメント能力も求められます。

特に30代後半ともなれば将来の幹部候補として、マネジメント能力に加え、これまでの仕事で培った独自の人脈なども評価ポイントとなってきます。

企業が求めているものをしっかり理解してアピールする戦略を立てることが転職成功への道です。

30代転職で年収アップを狙うなら今までのキャリアを活かした転職を

30代にもとめられるものが、それまでの仕事の経験からくる即戦力としての価値である以上、転職で年収アップをさせるための基本は、それまでの仕事と同じ業界や職種へキャリアアップ転職をすることです。

また、実際の転職活動においては、今までのキャリアをしっかりと棚卸しして、自分の市場価値を分析し、自分をなるべく高く評価してくれる企業へとアプローチすることが必要となります。

これらの作業にはあなたのキャリアに対する客観的な評価が必要となるため、必要に応じて、転職エージェントのコンサルタントなどを利用すると良いでしょう。

30代で未経験職種に応募するなら年収はガマン

逆に30代で未経験の仕事に転職し、キャリアチェンジを狙うのであれば、年収を上げることは難しいと考えましょう。

即戦力として期待して30代を採用する企業としては、コストをかけて教育をしなくてはならない30代人材に高い年収を提示することはできないからです。

また、採用する企業側も「なぜ未経験でもこの仕事に応募してきたのか」について納得できる理由を求めてきますし、応募者の熱意や本気度も値踏みしてくるでしょう。

したがってなんらかの理由でキャリアチェンジを目指すのであれば、年収ダウンも覚悟し、それまでの経験を捨てて本気で学び直す覚悟を示すことも、必要となります。

30代の転職活動の進め方

30代が転職活動を進めるにあたって、まず心がけたいことは極力在職中に転職活動をすることです。

退職後の転職活動には多くのデメリットが存在します。

収入が無い状態が続くことで、精神的に不安になりますし、仕事が決まらない期間が長引いてしまえば、選考上も不利になります。

企業によっては、退職後3カ月以内に次の仕事が決まらない人材は、市場価値が低いとみなして採用しないと決めているところもあるほどです。

結果的に条件面で妥協した転職を余儀なくされ、「この転職は失敗だった。」と感じる羽目になることも少なくありません。

一方、在職中の転職活動であれば、時間的な制約は大きいものの、妥協せずに時間をかけて企業を選ぶことができ、職歴にも空白はできません。

もちろん、転職活動をおおっぴらにできない、今の仕事へのモチベーションの維持が難しいなどのデメリットもありますが、退職後の転職活動のリスクを考えれば問題にはならないでしょう。

なお、時間的な制約については、転職エージェントを活用することで、応募企業の選別や、面接日程の調整、年収を含めた労働条件の交渉などを代わりに行ってくれるので、かなり解消されるはずです。

30代の転職での転職エージェント利用法

30代の転職で転職エージェント利用するメリットをまとめると以下の通りです。

① 自分のキャリアを客観的に評価して、市場価値を評価してくれる。
② 転職コンサルタントが代わりに動いてくれることで、在職中の転職活動の時間的な制約がかなり解消される。
③ 年収アップ交渉など、個人では難しい応募先企業との交渉を代理人として行ってくれる。

①については、自分自身のキャリアを自分で見直すことは難しいため、30代の転職では必須の項目となるでしょう。

30代ともなれば、ある程度の職務経験があるため、人によってはそれを過大評価している場合もあるとは思いますが、それよりもむしろ自分のキャリアを過少評価していて、転職コンサルタントとの面談の中で自分では気付いていなかった自分の価値を発見する方のほうが多いようです。

また、②と③についてはまさに転職サポートのプロとしての代理人としての仕事であり、個人で転職活動をするのに比較して、より短期間で条件の良い転職を成功させてくれる可能性を高めてくれるでしょう。

ちなみに、このようにメリットが大きい転職エージェントですが、利用者は無料で利用することができます。

その理由は、転職エージェントのビジネスモデルが求職者を企業に紹介し、実際に転職が決まると成功報酬の形で、企業から転職エージェントへと手数料が支払われる仕組みだからです。

30代の転職での転職エージェントを使う場合の注意点

このようなビジネスモデルゆえに、転職エージェントには以下の2つの動機が働きます。

① なるべく企業が求める人材像とマッチした、いい人材を紹介しよう
② なるべく早く人材を紹介して報酬につなげよう

①の動機については、企業も転職エージェントも応募者も3者にメリットがあるWINWINの状況につながるもので、歓迎すべきものでしょう。

一方、②の動機が強く働いた場合、応募者に妥協を強いるような転職を強引に進めてしまう可能性が出てきます。

実際問題として、そのような質の悪い転職コンサルタントが存在することも事実です。

では、そのような転職コンサルタントを避けるためには、どうすればいいのでしょう。

少なくとも2社以上の転職エージェントに登録する

その答えは、複数の転職エージェントに登録することです。

同じ転職エージェントでも、転職コンサルタントの経験や人柄によってあたりはずれがあることは避けられません。

しかし、複数の転職エージェントに登録をしておけば、転職エージェントやコンサルタント間のサービスの良し悪しが比較できます。

また、転職エージェントごとに独自の非公開求人をかかえていることが多いため、求人情報の間口を広くするという意味でも、複数の転職エージェントに登録するメリットはあります。

転職サイト大手のリクナビNEXTの調査によると、転職成功者は平均で4.2社の転職エージェントに登録しているそうです。

また、転職エージェントにはあらゆる業界や職種を対象とした総合型転職エージェントと、特定の業界や職種に特化した特化型転職エージェントに分かれます。

特化型エージェントは、その業界・職種に限っては大手の総合型転職エージェントよりも求人数や紹介ノウハウが豊富なため、もしあなたが転職を希望する業界に特化したエージェントがあれば、登録すべきでしょう。

→業界別転職・求人サイト

総合転職エージェント業界ではDODAとリクルートエージェントが2強と言われており、非公開求人を含む求人数や在籍するコンサルタントの質や数では他社を一歩リードしています。

特に理由が無い限りはこの2社には登録しておくべきしょう。

→DODA公式サイト

→リクルートエージェント公式サイト

30代で転職するならこれだけは知っておきたいコト まとめ

30代の転職はキャリアアップにせよ、キャリアチェンジにせよその後の人生を大きく左右する一大イベントと言えます。

また、40代以降の転職はどうしても、ネガティブな理由になりがちで納得のいく転職の可能性は低くなってしまいますから、30代の転職でぜひとも心から納得のいく職場に出会いたいものです。

この記事を参考に、じっくりと自己分析に時間をかけた上で、前向きな転職を成功させてくださいね!