転職の面接で必ず聞かれ、かつ面接の成否を大きく左右するのが、前職の「退職理由」です。
なぜ転職面接で退職理由が重要なのかといえば、面接する側の立場に立てば容易に想像がつくでしょう。
- この人を採用してもすぐにやめてしまうのではないか
- 職場の人間関係がうまく築けない人なのではないか
といった不安は、かなりの費用や時間をかけて人を採用する企業側にすればもっともな不安です。
このような不安をかかえる企業側に対して、退職理由をつたえる際には、やはり注意すべきポイントが存在します。
ネガティブな話はなるべく簡潔に伝えよう
退職という大きな選択をしたからには、労働条件、職場環境、人間関係などに何かしら不満や不平があることが普通です。
とはいえ、その気持ちをそのままに長々と前職への不満を述べたり、ましてや批判的な言葉を口にすることは、それが事実であったとしても、面接の成功という目的に対してはマイナスでしかありません。
ネガティブな話は感情を抑えて、できるだけ簡潔に話すことを心がけましょう。
面接する側が、
「この人はうちの職場でも同じようなことを言い出すのではないか?」
と思われてしまっては、面接は失敗したのも同然です。
最後は感謝の言葉ややる気を全面に出して前向きにしめよう
また、例え退職理由が主にマイナスの原因によるものであったとしても、最後は前向きな言葉でしめるべきです。
例えば上司とのそりが合わなくて退職に至った場合でも、単に
「上司とも関係がうまくいかずに退職しました。」
というのではなく、
「前職の上司には、親身になって指導していただき感謝していますが、御社の○○の業務に関わることで、自分をさらに成長させたいという気持ちから退職を決断しました。」
というように、前職への「感謝」の言葉や新しい仕事への「やる気」を示すことで、印象は前向きなものに変わります。
残業のことは触れるならよく下調べをしてから
残業時間の多さが退職の理由である場合は、面接においてそのことに触れるべきかどうかは、慎重になったほうがよいかれしれません。
応募先の企業の残業に対する感覚によっては、残業を嫌がることイコール仕事に対するやる気がないと判断されることも、まだまだ少なくはないからです。
まずは、応募先の企業の残業時間の感覚を応募前にネットの口コミサイトなどで調べておきましょう。
その上で今の職場が応募先企業の残業時間よりも著しく多い場合には、具体的な残業時間や休日出勤の日数などを客観的に伝え、退職理由のひとつとすることは問題ないでしょう。
もちろん応募先企業の残業時間状況が、自分の希望とかけ離れているのあれば応募自体を控えるべきであることはいうまでもありません。
退職を前向き受け止め気持ちの整理をしておく
具体的な退職理由がどんなものであれ、転職活動を進める上では、前向きに気持ちを切り替えて、退職自体をポジティブに捉える心構えが大切です。
いかにポジティブな言葉で退職理由を伝えたとしても、気持ちが後ろ向きなままでは、表情や声のトーンでネガティブな感覚は伝わってしまうものです。
実際のところ、退職・転職は人生を前向きに動かしていくための行動です。
そして、ネガティブな状況でいかに心の持ちようをポジティブに変えていけるかということも、仕事において重要なスキルのひとつです。
面接する側も退職理由そのものに加えて、退職自体をどのように捉えているのかということも気にかけていることを忘れてはいけません。
やむを得ない退職であったとしても「いいきっかけ」と考えて気持ちを切り替えることが退職理由そのものよりも、大切なことかもしれませんね。